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森博嗣 「探偵伯爵と僕」 [本]

私の好きなミステリのシリーズ「ミステリーランド」から森博嗣の「探偵伯爵と僕」です。
森さんは、名大の工学建築科助教授と異色です。
森さんの作品は、まだ読んだことありませんでした。「すべてがFになる」が代表作だそうです。

今回の作品は、大きなストーリーの動きはありません。後半にチョット活劇がある程度です。
探偵伯爵と僕、との会話が中心で、この会話の面白さがウリでしょうね。
そして、ど
っちかというと子供に向いた作品ですね。
僕に語りかけ、僕が考えます。死刑についても考えます。戦争についても考えさせます。

会話の中に作家の想いも込めます。ミステリについても語ります。
(チョット引用します。探偵伯爵と僕の会話です。)
「僕も、大きくなったら、探偵になりたいんだけど。」
「私に言っても無駄だ。努力するのは君だ。」
「うん。どんな努力をすればなれる?」
「なりたかったら、なれる。君は何にでもなれる。」
「そうかなぁ。ねえ、探偵にとって、一番大切なことって何?」
「一番なんてものはない。どんなものでも大切だし時と場合によって、大事なものは違う。決めつけないことだよ。」
「でもさ、行き詰ったりすることがあるでしょう?」
「行き詰ってばかりだ。」
「そういうときは、どうしたら良い?」
「う-ん、そうだな。それもそのときどきで違うが、できることを試してみることか。そうだね、ちょっと頭を冷やして、後ろへ下がって、できるだけ高いところから、全体を見る。自分の立場、周囲の状況、とにかく、全部が見渡せる、高い場所から眺めてみることだ。」
(引用終り)

どうも先入観ですかね。先生らしく教育的です。
でも思うにこの作品、こんなに子供を死なせなくてもいいんじゃないかと思うけどなぁ。

謎が解けないのは、
最後に探偵伯爵から手紙が来ますが、「親愛なる○○○君へ」となっていますが、
作品中、○○○君の名前は出てきません。僕の名前とも違います。だれ?

でも最後は、いいですね。
「どうか、大人になっても、今の純粋な目を失わずににいて下さい。
また、会える日を楽しみにしています。」
                             伯爵探偵より

余談ですが、作品の中で、「○○が良い(よい)」という言い方がよく出てきます。
「○○がいい」という言い方は、間違いなんでしょうかね。ずいぶんこだわっているみたいです。


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