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[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

巨匠とAUBE (ダンス3部作) [Renoir ルノワールと]

「私は
    自分がその景色の中を散歩したくなるような風景画が好きだ。」
                                   Renoir / AUBE

モネやルノワール等の印象派の絵もとても好きでしたが、
もっとも
偶然とは言え驚きだったのが、初めてオーブに来た時に、
この美しい田舎でシャンパンが造られている事、そして私の合宿先のすぐ近所(と言っても田舎の近所ですから10キロ以上はあります。)にルノワールのアトリエと彼が永遠に眠るお墓があると知った時の私のトキメキは感慨深いものさえありました。

 

ルノワールは1841年にリモージュで産まれたので、オーブ出身ではありません。
では何故、オーブがこの巨匠と深く関係しているか・・・。

 

 

巨匠が描いたオーブの風景も多く残されていますが、まずはこの絵から。

 

 

ルノワールのダンス3部作と云われる作品をご覧下さい。

 

 

 

La Danse à Bougival (1883) Boston Museum of fine art
ブージヴァルのダンス

 

 

 La Danse à la Ville (1883) Musée d'Orsay
都会のダンス

 

 

La Danse à la Campagne (1883)  Musée d'Orsay
田舎のダンス

 

この3作品は同じ年に描かれていますが
モデルはすべて同じ男性でルノワールの友人。

この上記の2作はマリー・クレモンティーヌ・ヴァラドン
(後のシュザンヌ・ヴァラドン←この名前はロートレックが彼女に付けたあだ名だそうです。)
彼女は著名な画家(シャヴァンヌ、ドガ、ルノワール、ロートレック、エリック・サティなど)と浮名を流した恋多き女性ですが、ルノワールの勧めで絵画を始めています。
この作品のモデルをした当時は、すでに妊娠していたそうですがついに父親の名前は一生明かさなかったそうです。
そしてその子供があのユトリロ



ある一説では父親の可能性の最も高いのはルノワールだとも言われているようです。

そして少々ややこしくなりますが
この当時に同時進行で付き合っていたのが田舎のダンスのモデルである、アリーヌ・シャリゴ。
何とこの時は既にアリーヌと婚約中だからさぁ大変。

Aline1887.jpg


さて、もう少し絵のお話を

 

上から順に見て、お気付きでしょうか。

 

そう、
アリーヌの田舎のダンス、構図が、ブージヴァルのダンスっぽいと思いませんか?

アリーヌは彼の作品で多くをモデルとして登場していますが(シュザンヌと違ってルノワールのモデルだけをしています)
この作品には当初モデルの予定は無かったそうですが、あまりにシュザンヌに強い思い入れを込めて描く様子に嫉妬したからモデルを書き直した・・・とも言われています。

同じ赤い帽子、はじき飛んだ男性のカノティエ(帽子)、何だか激しく想像力が働きそうですね。
(ここに私は居るわよ!
と言わんばかりにこちらを向き恋の勝利の笑顔を向け笑っているようにすら見えますね)

都会のダンスのシュザンヌは気取った表情で垢抜けした絹のドレス、
田舎のダンスで溌剌とダンスするアリーヌは手作りの麻のドレス(彼女はお針子さんだった)で、対照的な印象を受けます。

実際に赤い帽子を書いた後にこの田舎のダンスは書き直されたと言われていたりしますが、返って2部作としてのメリハリが評価されていますね。

 

アリーヌのモデル有名な作品は本当に沢山ありますが
これは皆さんがご存知の最も有名な一枚ではないでしょうか。

 

La Déjuner des canotiers 1881

ここで左側でワンちゃんと戯れているのがアリーヌ。

テーブルの上にはワインやシャンパングラスがあることにもご注目下さい。

ここで出てくるカノティエはカヌーのような形をした帽子を意味します。
(殿方が被っている帽子をご注目下さい、その麦藁帽子はカノティエと呼ばれたのですが、舟遊びをするカヌーっぽい所から付けられた名前のようですね。)

 

 

ここで登場するアリーヌはルノワールにとってまさに運命の女性。

 

彼女はルノワールと結婚し印象派技法のスランプだった彼を救う女性となります。
そう、この女性こそがオーブ出身なのです。

彼女とオーブを訪れたルノワールはその素朴な田舎の光景と人々にすっかり魅せられたようで、後にアトリエと家を建てています。

 


オーブのアトリエ

 

そのお話の続きは、もう少し長くなりますので、

 

 

続く・・・・。

 

 

 


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コメント 17

わたしは絵画には疎いですから、絵と画家が一致しない^^;
ルノワールとオーヴの関係が少し分かりました。
続きも楽しみにしています。
by (2007-01-28 09:17) 

私も好きです。ルノワールの絵画。
女性の淡い頬色が、とても美しい。
もう、随分前のことでしたが、上野の美術館にルノワールの絵を観に行ったことがあります。
ルノワールの絵画の前で、時間の流れを忘れてしまうほど、見入ったこともありました。
いつ観ても良いですね^^。
by (2007-01-28 09:45) 

yk2

そっかー、3部作のもう1枚は「ブージバルのダンス」か~!。
やっと思い出しました。これ、2年前の愛・地球博でボストン美術館展みたいなのやったから、日本に来てたんだよねー。さすがに名古屋までは絵だけを観には行けなかったけど。

シュザンヌはロートレック経由で興味を持ったけど、アリーヌのことは初めて知りました。で、今ちょっと「ジュリー・マネの日記」を調べてみたら、なんだ、出てくるルノワール夫人がアリーヌなんじゃない!。

ジュリーの日記の中では悪い印象は全く無いんだけど、モリゾと並ぶ印象派の2大女流画家のもう一人、メアリー・カサットはこのルノワール夫人と反りが合わなくて、それはもう大嫌いだったらしいですよ(笑)。

シュザンヌとアリーヌの“女の戦い”からダンス3部作を観る。
うん。なんか今までと違った面白みを感じます(^^。
by yk2 (2007-01-28 10:11) 

noriko

ユトリロの生い立ちからシュザンヌ・ヴァラドンについて知識はありましたが、うーん、印象派の美しい画の背後はけっこうスゴいことになっていたんですね(--;
でも、愛や思い入れが強ければ強いほど画の女性は美しく描かれるのかもしれませんね。
by noriko (2007-01-28 17:41) 

めぎ

この頃の芸術家って、みんなドラマチックな生き方してますよね。ルノワールのお話の続き、楽しみ♪ お待ちしてまーす!
by めぎ (2007-01-28 18:33) 

Wino

シャンパーニュとルノワールのつながり。。。
今オルセーが来てるんで、そんなことも思い返しながら、
行ってみたいと思います。
by Wino (2007-01-28 19:00) 

toraneko-tora

私も印象派の絵は好きです
絵のことなんか、本当は何も知らない、何も解らない・・・・・のですが、印象派といわれる人たちの絵には、なにか親しみを感じるんです
by toraneko-tora (2007-01-28 19:25) 

TaekoLovesParis

興味ある話でとってもおもしろかったです☆
ブージヴァルのダンスは、ボストン美術館で何度も見ている絵で、
モデルの女性が美しく、男性が吸い寄せられているように見えるけど、
それ、当然って思っていました。都会のダンスと同じくシュザンヌ・ヴァラドンがモデルだったとは!ブージヴァルと田舎は構図が似ていると思っていたけど、アリーヌ嬢を満足させるための作品だったとは!アリーヌ嬢の顔の
輝きの理由が今、よくわかります。

そうだったんですか。オーブに居を構えたのは、アリーヌに連れられて行き、景色が気に入ったからだったんですね。そう聞いたら、シャンパンの
魅力だけでなく、ルノアールが魅せられてしまった景色も見たいから、
やっぱりいつかオーブへ行かないと。(julliezさんの写真でもオーブの
自然の美しさは伝わっていましたよ)


カノティエをかぶっての昼食。豪華ですね~。ワインも果物もふんだんに
ある。そうですね、手前にシャンパングラスがあるから、シャンパンもあった
んですね。やはり乾杯用だったのかしら?
by TaekoLovesParis (2007-01-28 23:46) 

yoocomint

私、絵はカラキシわかりません
というか、学生の頃絵が書くのだけはダメだったんです
でも見るのは好きです
by yoocomint (2007-01-29 16:04) 

nicolas

わぁいいなぁ~(´ω`。)
ルノワールの描いた女性は、本当にやわらかい表情で
可愛くて、なんか本当に癒しの女性なんですよね~
田舎のおじちゃんやおじーちゃんに混じって、かわいい女性が
にっこり微笑んでいたり。。。なんか、同性としても受けいれられるその
可愛さにもうメロメロになります。
本当に、夢の中にでてきたようなおぼろげな感じのタッチが、
とてもいいんですよね~
アトリエがお近くにあるなんて、素敵ですね~~~♡
by nicolas (2007-01-29 20:50) 

plot

とても素敵なお話ですね。
続きも楽しみにしています。
ルノワールはその甘味さゆえに過小評価される事もありますが、印象派の中でも大変ユニークな存在です。
ピカソはルノワールを高く評価していて作品も所有していました。
ピカソの新古典主義はルノワールの晩年のスタイルから大きな影響を受けています。ルノワール作品を左右反転して模写したと思える作品もあるほどです。
by plot (2007-01-30 02:38) 

シェリー

こんにちは。ダンス3部作だったのですね。
そしてその3枚にそんなエピソードがあったなんて(驚)
同じ女性としては・・・ちょっぴり複雑な心境にもなりますが(汗)
絵の中のワインやシャンパングラス!今まで注目して見たことありませんでしたが、本当だ!そういう観点も楽しいですね☆
そしてオーブ出身のアリーヌさんへの親近感が急に増してきた気がします(笑)
続きも楽しみにしてます。
by シェリー (2007-01-30 12:28) 

miumiu

面白いお話です。
次にオーブのシャンパンを飲む時はきっとルノワールを思い出しますね。
by miumiu (2007-01-31 17:15) 

julliez

皆様
コメント&ナイスをありがとうございます。
一つ一つにお返事が出来なくて本当にすみません。

この続きを頑張って更新します!

時間が出来たらゆっくり皆様の所へお邪魔したいと思っています。
いつも本当に温かいコメントをありがとうございます!
by julliez (2007-02-03 02:55) 

ルノワールのお話、本当におもしろいですね。
続編も楽しみにしています。
by (2007-02-04 23:55) 

TaekoLovesParis

さっきルノアールの絵に関しての記事を書いたので、julliezさんのこの記事にリンクつけさせていただきました。
by TaekoLovesParis (2007-02-07 01:45) 

noriko

julliez様
オーブ3部作のエチケットの記事からリンクを貼らせていただきました。
by noriko (2007-05-29 21:51) 

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