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脱線事故から表面化する第5の権力 [∴society]

JR福知山線脱線:事故から1週間余 県内5鉄道は安心か (MSN-Mainichi INTERACTIVE)

R福知山線脱線事故発生から、早13日が経過した。
改めて、亡くなられた犠牲者107名の方のご冥福を祈りたい。

事故から時間が経ち、様々な意見が出尽くしている。だからこそ、斜めから、できるだけ客観的な見方を心がけたい。

テレビ・新聞では、「過密ダイヤの弊害」、「旧型ATS」、「脱線車に乗り合わせた乗務員、救助活動に不参加」、「事故直後のボーリング大会・ゴルフコンペ・飲み会」など、事故原因とJR西日本の企業体質を追求する報道が連日続く。

各ブログの記事中でも、この事故について様々な意見が論じられている。その内容は、「事故原因の考察」はもちろんだが、「メディアの報道姿勢」について言及している記事が多いことがわかる。

・記者会見での不必要な罵声浴びせかけ
・一部のマニュアル的体質がまるでJR全体を象徴しているかのような報道
・事故直後の不適切な行動の過剰なまでのあぶり出し
・遺族へのメディア・スクラム

今回の脱線事故報道には、論じられるべき及第点があるのは間違いない。情報の受け手として、不愉快な思いをした証拠である。

そこで思うのは、
マスコミが「民主主義国家を監視する“第4の権力”」と称されるものなら、ブログは、「マスコミを監視する“第5の権力”」としての役割が浸透し始めているのではないか。匿名性の部分は、掲示板と変わらないものの、1人が1サイトに根付いている部分で、その意味合いは大きく異なる。

今までも、一視聴者・読者として報道姿勢に疑問を投げかける事例は、数限りなくあったはずである。しかし、そうした個々の提言が、垣根を超えることは無かった。ブログという形で、それらの声が1つのカテゴリーに集約している。

「人権擁護法案」のケースもあるが、メディアというよりも、政府にその目が向いている点で微妙に異なる気がする。

しかし、本当に重要なことは、「遺族への誠意ある謝罪」と「再発の防止」であることを忘れてはならない。

確かに、事故後記者会見での罵声は聞くに堪えないが、その一方で、ボーリングやゴルフコンペなどの行事に参加していた事実が、報じられるべきものなのは否定できない(過剰な追求は問題外だが)。
現場の様子、事故原因の概要などを知るには、大部分の人がマスコミのフィルターを通さざるを得ない世の中である。本当に重要なことを見失いがちであることに注意していきたい。


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la3751

  はじめまして、la3751と申します。TB貼らせて頂きました。
 ブログを称して第5の権力というのは面白いですね。
まだ、そこまで影響力はないのではとも思いますけど。
 でも、今までマスコミを通じてしか世論形成ってなされてこ
なかったのですが、ブログ世論のようなものが形成されてき
ている気はします。それに今までと違い、個々人の枠を超えて
意見表明がなされようになった点は、ブログのおかげでものす
ごく変わったなぁと思います。マスコミの人はブログについて
否定的な人も多いようですが、世の中は確実に変化していると
感じます。
by la3751 (2005-05-08 17:45) 

幸

nice!・コメントありがとうございます。

> la3751さん
初めまして。「ニュース・時事ネタ」カテゴリーで、たまに記事を拝見していました。

> ブログを称して第5の権力というのは面白いですね。
> まだ、そこまで影響力はないのではとも思いますけど。

そうですね。“第5の権力”というものは、まだまだ私の希望的観測ですね。でも、いずれそのような役割が機能し始めれば、世の中面白くなるのでは、と考えています。

今のメディアというものは、持っている権力が大きすぎるように感じます。
「我々は、“編集権”という名の“凶器”を握っている」
と自覚している旨を話したプロデューサーがいることを、ラジオで知りました。

本来、担わなければならない役割を見失い、受け手のニーズに過剰に答えようとする。この辺りが、今回の報道の一因と考えるのが、妥当なのか。
書いてて、少しわからなくなってしまったのですが、こんなところで。TBも読ませてもらいます。
by (2005-05-09 01:19) 

山梨の兄ちゃん

事故がなければJR西日本はマスコミにとって重要な顧客。
 今の日本の、マスコミは売上がすべてで社会正義などない。
日本タバコ産業(JT)は新聞に広告をする目的が、タバコの売上増加ではなく
その新聞がタバコのことを悪く書かないよう自主規制するために広告をだしているらしい。
 JR西日本もそのうち謹慎期間が過ぎると広告費でマスコミをかいますよ。
  
 売上向上には変わったJR西日本と書いてもらうのが一番だものね。
by 山梨の兄ちゃん (2005-05-11 21:34) 

はじめまして。TBさせていただきます。
「本当に重要なことを見失いがちであることに注意していきたい」。同感です。私たちには、マスコミが伝える情報を鵜呑みにせず、正しく見抜いていかなければならない力(メディア・リテラシー)が必要となってきています。
僕は小さな新聞社で記者をしていた経験から「マスコミ」を見ています。今回、報道ヘリコプターによる集中取材の問題について書きましたので、ご覧いただけるとうれしく思います。
by (2005-05-21 14:37) 

銀鏡反応

はじめまして。
ここのブログサイトに初期から参加していて、ブログを開設したものの一人です。
>本当に重要なことを見失いがちであることに注意していきたい
まったくその通りです。現在の私達はTVなどで情報を入手するのにどうしても
マスコミのフィルターを通してしまい、その情報の裏に潜んでいる本当に重要なことがらを見逃してしまいがちです。
>ブログは「マスコミを監視する第5の権力」としての役割が浸透し始めているのではないか。
確かにブログ人口が増えるにつれ、マスコミの行き過ぎた行為を監視できるようになってきたのかもしれません。ごく一部にはマスコミ以上に事件の関係者を
(それがたとえ被害者であっても)罵倒しているブログも存在するのですが…。
何はともあれ、私達がもっとしっかりマスコミを監視していかなければ、世の中がトンでもない方向に行ってしまわないとも限らないなぁ、とつくづく思うきょうこの頃です。
by 銀鏡反応 (2005-06-19 21:37) 

幸

>銀鏡反応さん
コメント・nice!ありがとうございます。ブログによるマスコミ監視は社会に良いように作用してくれるとは思いますが、根拠もなく対象を罵倒するような“暴走”は懸念しなければならないですよね。
書いている側が“公開している”という意識を持って、責任ある内容にしなければ、信用あるインターネット社会が成熟することはないと考えています。
by (2005-06-21 00:38) 

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