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Mahler/Sym1 [交響曲(マーラー)]

このブログも2ヶ月たったので、ちょっとシリーズ化。昔エアチェックしたテープから、大学時代に傾倒したマーラーを中心に聴いていこうと思います。演奏会の記録としては不完全なのですが、思い出話ということで、ひとつお目こぼしを。

言い訳をもうひとつ。昨晩は天気が悪く、危険だったのと、音がよく聞こえないので帰りに聴けませんでした。ので、2日間かけて聴きました。

まずマーラーの交響曲第1番。ノイマン/チェコ・フィル、1979年11月、東京文化会館での演奏。

第1楽章序奏は割と早めで、基本的にインテンポ。楽章全体に細かいテンポの揺れはありますが、淡々と進みます。放送録音のせいもあるでしょうが、強奏でも乱れずに整然とした演奏。最後も「突進!」という感じではありませんね。

第2楽章はあまり速くない。冒頭の16分音符(オクターブ跳躍の後ろの音)のスタッカートが強調されていないので、タララー、タララーとつながって聞こえます。確かに昔はみんなこんなでしたね。最近は、強弱、スタッカート/テヌートなど、マーラーの細かい指示を忠実に守る演奏が多いのではないでしょうか。中間部は思い入れたっぷり。こういうおおらかな(大雑把な?)演奏を聴くと、最近のマーラーはなんか腺病質風に聞こえてしまいます。

第3楽章はやや早めか。冒頭のベースは、当時としては当然ソロ(一人)です。最近の演奏や録音ではけっこうパートソロになっているのでしょうか?それとも「伝統的な」ソロでやることが多いのでしょうか。中間部の弦はいい味を出しています。テンポやフレージングをスパッと切り替えず、徐々に、あるいはかすかに変化させる演奏を聴いたのはしばらくぶりのような気がします。ああー昔はみんなこうだったよね~的な感傷がむくむくと。最後の音が鳴る前の拍手は、どういう勘違いをなさったのでしょう?演奏している方はびっくりしたでしょうね。でも何とかアタッカで第4楽章へ。 

第4楽章冒頭も、極端なテンポの緩急をつけず、微妙な(決して「ビミョー」でない)揺れでマーラーの指示が処理されている雰囲気です。楷書できっちり、というより行書の感じ。でも、中心テンポがしっかりしているので聴いていても安心です。トランペットのハ長調のファンファーレがピアノで響くところなんか、本当にほのぼのとしていて気持ちがよいです。トランペットとトロンボーンがオン気味なのに対して、ホルンがオフ気味なのでちょっと聞こえづらいですが、コーダも決して絶叫しないのに、また快速テンポでもないのに、聞き応えがあります。最後の最後の弦だけの8分音符がなる前にまた拍手が。でもこれはまあご愛嬌ですかね。

この曲も演奏会でやったことありますが、第4楽章の中間部とか、どうしてもだれるのですよね。でも最後の盛り上がりは、他に代えがたいものがあります。元気が出る気がします。明日もガンバロー。

以下は参考のCD。ご存知のとおりノイマンはチェコフィルと全集を完成、その後も何曲か再録音しています。

マーラー:交響曲第1番

マーラー:交響曲第1番

  • アーティスト: ノイマン(ヴァーツラフ), チェコ・フィルハーモニー管弦楽団, マーラー
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2003/07/23
  • メディア: CD

最初のノイマン体験は、ゲヴァントハウスのマーラー第5。2枚組LPで、1面が第1楽章、2面が第2楽章だったので、今でも第2楽章が身についていません(笑)。カラヤンが第5の録音でトランペットに「やわらかい音がほしくて」少年を使ったとか、話題になっていた頃でした。ノイマンのマーラーは(マーラーに限らず、なのかもしれませんが)ぐいぐい押し切るのでなく、あくまで自然に、風に漂うような、それでいて浅薄でない、独特の表情があります。かすかなテンポのゆれ、薄味の強弱変化など、若いころは聞き過ごしてしまっていて、あまり面白く感じられなかったのかなあ、と、今になって思います。

☆追記

上で言及している第2楽章のアウフタクト(3拍目)は、現行譜では「8分音符スラー+16分音符スタッカート+16分休符」なのですが、初期の出版では「8分音符スラー+8分音符スタッカート」だったという記述が、金子健志氏の「マーラーの交響曲」にありました。見てきたわけではないのでなんともいえませんが、例えばKalmusのパート譜なんかは古いままの可能性があるような気がします。この古い譜面面(「ふめんづら」はどう書くのが正しいのだろう?)だと、あまり後ろの音を極端に短くする努力はしなさそうですね。


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コメント 3

吉田

こんばんは。
ノイマンのこの演奏、思い出があります。外来のオーケストラの初めての生演奏がたぶんこれです。というのは、公演直前のリハーサルの抽選に当たったのです。金管楽器の音は、それまで聴いたことのないふくよかな音でした。あれは一生忘れません。
で、リハが終わった後、トイレに隠れていたら、係員に見つかり丁重に追い出されました。
by 吉田 (2007-07-06 21:50) 

stbh

吉田さん、この音をナマでお聴きになったのですか!すごい!
当時でも、公開リハーサルというのがあったのですね。トイレの話は、いい思い出ということで(^_^;

貴重なお話をありがとうございました。
by stbh (2007-07-07 09:36) 

サンフランシスコ人

一度、サンフランシスコ交響楽団の定期で、マーラーの交響曲第1番(MTT)を聴きました。

by サンフランシスコ人 (2008-03-09 04:51) 

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