お気に召すまま＠シアターコクーン [theatre]
開演とともにロック調の音楽が劇場の空気を揺るがし、客席の通路をドドドッと男優たちが駆け下りてくる。
そのまま舞台に上がり、全員整列して一礼。
オールメール（男性俳優のみ）による舞台『お気に召すまま』は、そんなふうにして始まりました。
演出：蜷川幸雄
原作：ウィリアム・シェイクスピア
翻訳：松岡和子
出演：成宮寛貴、小栗旬、吉田鋼太郎、田山涼成、高橋洋、月川悠貴、大石継太、ほか
東京公演：2007年7月5日～29日 Bunkamura シアターコクーン
上演時間：1幕75分、休憩15分、2幕95分
公式ブログ：http://blog.e-get.jp/ayli/（←上演写真も載ってます）
◆
『お気に召すまま』はシェイクスピアお得意の、男装のヒロインが活躍する恋愛喜劇。
今回はすべての役を男優が演じますが、これはシェイクスピアの時代にならってのこと。
当時のイギリスの劇団には女優がいなかったので、女性の役はすべて少年俳優が演じていました。
そのこと自体、日本には歌舞伎の伝統があるから違和感はないはず。
とは言うものの、女性なりきり度の個人差は大きく、そこがまた不思議な味わいを醸し出しているのですが（笑）
長兄オリヴァーに虐げられている騎士オーランドー（小栗旬）は、公爵お抱えのレスラーを倒しレスリング大会に優勝したことでさらに反感を買い、身の危険を感じてアーデンの森へ逃げ込みます。
そんな彼とたがいにひと目惚れしたロザリンド（成宮寛貴）も、叔父にあたる公爵に疎まれて追放を言いわたされ、公爵の娘で親友でもあるシーリア（月川悠貴）とともにアーデンの森へ。
旅の危険から身を守るために男装し、「ギャニミード」と名乗るロザリンド。森の中で彼女に再会したオーランドーは本人と気づかず、彼女に言われるまま、ギャニミードをロザリンドに見立てて愛の告白の練習をします。
2004年の初演は観ていませんが、今回の再演までの3年間、主演の成宮寛貴は（再演があるとは思わず）マッチョな「男らしさ」を追求していたらしく、かなりガタイのいいロザリンド嬢に仕上がっております。
女性的な仕草をすればするほど、「男」が見え隠れしてしまう。
一方、月川悠貴のシーリアはあまりにも自然で、女優が1人混じっているかと錯覚するほど。
ところが、このロザリンドのきわどい感じが滑稽であると同時に、独特の色気を出してもいるんです。
たとえば、追放されるロザリンドにシーリアが「どこまでもついていくわ」と言い、2人がしっとりと（？）見つめあうシーン。
ロザリンドの代わりに（と思い込んで）ギャニミードをオーランドーが口説くシーン。
見ていてざわざわと胸が騒いでしまいました。
彼女／彼は男なのか女なのか。相手は同性として見ているのか、異性として見ているのか。
成宮＝ロザリンドの魅力は、むしろその境界線の曖昧さにあるようです。
物語のエピローグでは、もつれた恋愛関係がロザリンドによって修復され、男女4組が華やかに結婚式を挙げます。
ロザリンドが最後の口上を終えると、今度は俳優たちが客席の通路を駆け上がって退場。
何度目かのカーテンコールはスタンディングオベーションでした。
そういえば、平日夜なのに3階席まで立ち見が出ていたし、若い女性観客の熱気がすごかった・・・。
羊役者の「坂本メイ」が予想外に人気をさらっていたのはそのせいかも（笑）
←こちら、坂本メイちゃん。
羊飼いと一緒に登場する本物の羊です。
パンフレットの表紙は黒と白の2種類があり、それぞれ迷彩色のトートバッグとセットでした。
わたしが買ったのは白バージョン。
もうひとつ、うれしかったこと。
休憩で外に出て、再入場しようとしたら、目の前にすっと黒ずくめの男性が。
爽やかに微笑むその横顔は、なんと少年隊の東山紀之くんではありませんか。
顔、小さっ！
さすがにアイドルのオーラが出ていましたよ～。
そんなこんなで、ひじょうに眼福な一日でございました。
◆
深夜でも気軽に食事ができる店を求めて、このあと原宿へ。
《カルミネ表参道スタンド》があるのは隠田商店街。
以前ご紹介したことがある《フジママス》よりもさらに奥にあります。
グラスワインが380円、「本日のパスタ」が650円。
「本日のカルパッチョ」はまぐろでしたが、写真を撮る前にほとんど食べてしまいました。
先に出てきたカプレーゼはすでに空っぽ・・・。
お料理もシンプルでおいしかったですけど、店員さんたちがすごく感じがいいんですよ～。
もちろん、お値段もリーズナブルだし。また利用したいと思います。
goober walking
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本物のヒツジが登場だなんて！！
すごいな～って、感心すべき点はそこではないですね（笑）。
「お気に召すまま」って、以前「内村プロデュース」でやっていたので
初めて知ったくらいで・・・（それもちゃんと全部は見ていなかったし）。
知識はないと言ってもいいくらい。
日本の歌舞伎と同じように男性役者だけということすら知らなかった
ですもん。
by 椎名 (2007-07-27 01:47)
これは、小栗旬クンのブレークともあいまって、チケット完売と聞きました。
私、実はこれを「さい芸」での上演とカン違いして、スルーしてしまったものです。さいたま芸術劇場をそう略すのも、ちょとブッテイルようでなんなんですが。
気づいた時には後の祭りというやつです。
最初に出演者全員が一礼するのは、同じ蜷川演出の「ぺりクリーズ」と似ていますね。
やっぱり観ればよかったかも。
by 柴犬陸 (2007-07-27 02:11)
小栗旬クン、本当にあちこちに出ていますね☆ (^-^)
初めて観たのは、映画だったかな？ 『電車男』でしたが･･･♪
先日、『ダイハード４』を観た時も、次回作予告編に登場してました～。
原宿は、楽しいお店が沢山有って大好きです！ 特に路地裏ねっ♡
このお店は、リーズナブルで一人でも入り易そうですね。(*^-^*)
流石は、チヨロギさん、素敵なお店を沢山ご存知ですねっ♪♪
by (2007-07-27 03:04)
へ？本物のヒツジなんですか？
すごいですね～・・・
それにしても、平日の夜なのにすごいですね★
by took (2007-07-27 06:07)
うきゃ～～～！メイちゃんが見たい！！！
本物が出てくると芝居がさらにリアルな感じになりますね！
by たかち (2007-07-27 13:18)
小田島雄志先生のエッセーなんかによると、
声変わりする前の「少年」だったようですね...
女性役は。 ＼(^o^)／
でも、実は、
玉三郎さんのような成人の女形さんがいたのでしょうかのう？＼(^o^)／
by Kimball (2007-07-27 22:23)
チヨロギさんのお話に、私まで胸がざわつき・・・(〃∇〃)ゞ
メイちゃん、私もとりこになりそうです（笑）
義妹が舞台関係の仕事しておりまして
一度チヨロギさんがお帰り間際に出会われた方担当に・・・長くおつきあいしていましたが、本当に紳士でサワヤカな方のようですね！( *^∇^)(^・^* )
by shikayu (2007-07-28 02:05)
私も 『キサラギ』以来、小栗クンの舞台を観てみたくなった 大いなる（!?）
ミーハーで ございますので、気になる～♡(#^.^#)
メイちゃんは、舞台上で 滑らずに歩けるの～(・・? こういう動物の“ひずめ”
（←で いいのか！？）って、ツルツルした床面だと 滑るのよね。(~_~;A) 糞は
大丈夫なのか！？なんて心配も。。。( ´艸｀)
by 流星☆彡 (2007-07-28 02:10)
◇椎名さん◇
ヒツジはほんとにいい子でした！
最初に見た時は、着ぐるみかロボットかと思いましたよ（笑）
「お気に召すまま」の舞台は、私も初めて観たんです。
歌舞伎の女形の人がシェイクスピアやギリシャ悲劇の作品で
女性の役を演じることは時々あるのですが、
今回はすべてが男優でしたし、歌舞伎の人もいなくて、
もっと生々しいというか、独特の雰囲気でした＾＾；
by チヨロギ (2007-07-28 04:10)
◇柴犬陸さん◇
連日立ち見席までぎっしりらしいですね。吃驚！
初演の場所が「さい芸」（←私も使っちゃおう♪）だったので、
勘違いされてしまったのでしょうか。残念です～；；
シェイクスピア作品は前口上・後口上を入れることで
芝居という枠組みを強調するものが多いですが、
こうして全員が一礼するという演出もワクワクしていいですね。
すごいなぁと思ったのは最後のカーテンコールの時、
去っていく小栗＆成宮くんに、千切れんばかりに手を振る
女性観客が多かったことです。アイドルのコンサートみたい（笑）
by チヨロギ (2007-07-28 04:13)
◇saraさん◇
小栗くんは『電車男』にも出ているのですか？
『キサラギ』を観るまではまったくノーチェックだったので、
彼の活躍と人気のほどを知り、驚くばかりです(@_@)
原宿の路地裏は、気の利いたお店がひっそりあって楽しいですね☆
でも私はあまり詳しくなくて、この店もネット検索で見つけたんです。
遅い時間でも食事ができる店って、意外と少ないんですよね。
「カルミネ表参道スタンド」は店員さんがフレンドリーだし、
カウンター主体なので、一人でも気軽に入れそうですよ～(^.^)
すごくリーズナブルなのもうれしいです♪
by チヨロギ (2007-07-28 04:15)
◇tookさん◇
ヒツジ、本物なんです！ 私も最初は動く人形かと（笑）
旬の俳優さんたちが出ているせいか、劇場は女性で満杯でした。
しかし3時間立ちっぱなしなんて、私には到底耐えられません＾＾；
by チヨロギ (2007-07-28 04:15)
◇たかちさん◇
かわいいんですよ～～、メイちゃんは！
羊飼いのおじさんもかわいいんですが♪
メイちゃんがあまりにウケるものだから、
道化の田山涼成さんが一人でひがんでました（笑）
by チヨロギ (2007-07-28 04:16)
◇鎚鋸さん、nice！ありがとうございます。
by チヨロギ (2007-07-28 04:16)
◇Kimballさん◇
おっしゃるとおり、変声期前の少年俳優が女性を演じました。
彼らが青年期にさしかかると男装のヒロインにして、
「彼らの変化と微妙なたたずまいをプラスに生かした」
と松岡和子さんが解説しています。
日本の歌舞伎と違って、女形専門の役者はいなかったのでは？
欧米人は日本人よりごっついですからね（笑）
by チヨロギ (2007-07-28 04:20)
◇shikayuさん◇
shikayuさんもざわついちゃいました？ (￣ー￣)ﾑﾌﾌ♪
あ、メイちゃんのほうでしたか～（笑）
なになに、舞台関係者がお身内に？
shikayuさん、仲良くしてくださいね～～(^O^)
東山くん、爽やかな笑顔でロビーを横切っていきました。
ほんの数メートル歩く間に、もう女性たちのとり巻きが（笑）
by チヨロギ (2007-07-28 04:24)
◇流星☆彡さん◇
前半は小栗くんのカッコよさが存分に発揮されていましたが、
後半になると男装した成宮くん主導でお芝居が進んでいくので、
小栗くんの存在感はちょっと薄くなってしまいます。
これは原作がそうなっているからしょうがないんですけどね(^^)
それにしても小栗くんの表情は充分魅力的でした♪
メイちゃんは一瞬滑りそうな場面もありましたが、
その演技は堂々たるものでしたよ～！
舞台度胸があるのかしら？
by チヨロギ (2007-07-28 04:25)
坂本メイちゃんの演技力はどうでした？
by noric (2007-07-29 17:44)
◇noricさん◇
稽古からちゃんと参加していたようで、
すばらしい演技でした(^.^)
抱っこされていても、おとなしいんですよ～♪
by チヨロギ (2007-07-30 00:11)
チヨロギさんのレビューで観た気分を味わいました。
by (2007-07-31 17:11)
◇鳥谷さん、nice！ありがとうございます。
by チヨロギ (2007-08-01 01:20)
◇cocoa051さん◇
お忙しいなか、拙い記事をお読みくださり
ありがとうございました(^^♪
by チヨロギ (2007-08-01 01:23)
あーー読みたいのに時間が～～～
あらためてきます（＾＾）/
by mizuiro (2007-08-04 06:24)
◇mizuiroさん◇
ありがとうございます！
お時間がある時に、また遊びにいらしてくださいね♪
私もこれから出かけちゃうんですけど、
帰宅してからゆっくりそちらにお邪魔しますね～☆
by チヨロギ (2007-08-04 13:22)
おおーーーこれもまた素敵な舞台ですね。
あーーーもう終わっているし（・・。
でも素敵な日でしたね。トートバッグもいいし・・・東山くんに・・・
いいお店に・・・
心がいっぱいになりました。＾＾
by mizuiro (2007-08-04 17:15)
◇mizuiroさん◇
小栗くんも成宮くんもかわいくて
とっても目の保養になりました＾＾
おまけに東山くんもかっこよかったし。
やっぱり自分はミーハーだなぁと再確認した一日でした（笑）
by チヨロギ (2007-08-05 00:43)
◇yutakamiさん、こちらにもnice！をありがとうございます。
by チヨロギ (2007-09-03 00:50)