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不安・・・・ [父の病気]


何から書いたらいいだろう・・・・
正直、心が悲鳴をあげているような気がする。

今日病院へ行ってみると、テレビ台兼荷物入れになっている、
キャスター付きワゴンの前で、父が呆然と立っている姿が一番最初に目に入った。
一足先に病室に入った猫夜叉の声が、異変を告げていた。
「テレビ、どうしたん?」
父は泣き出しそうな顔をしながら、「・・・・分からない。」
「朝起きた時から無かった。また何か仕出かしたのかもしれん。
ちょっと、看護師さんに聞いてみてくれ・・・」
病室に母を残し、猫夜叉と仔猫がナースセンターへ行き、看護師長に話を聞いた。

看護師長は夜勤では無かった為、報告を受けただけで詳しくは分からないが、
テレビは、父が「故意」に落としたようであるとの事。
本人に怪我がなかったから良かったと言ってくれたが、
今までは徘徊をして困る程度だったのが、言ってみれば暴力的行為に走るのではないか、
と言う危惧が、ありありとその表情に表れていた。

特別な設備が整っている訳ではない。
普通の脳神経外科病棟である。
父のように、徘徊をする患者も初めてらしい。
夜の父は、まるで何かが「憑いている」ような感じだと言う。

色々と30分近く話をしたが、とにかく今日の夜も徘徊を始めるようなら、
仔猫に連絡をくれるように言って、その場を後にした。
もし、無表情で無意識で・・・ぃゃ・・・「その時」は意識はあるのだ・・・と思う。。。
何かに憑かれたような状態の時に仔猫たちが行って、仔猫たちだと判断できるのかどうか・・・
それを確かめるだけでも良いような気がした。

病室に戻ると、黙々と食事をしている父が居た。
自分のした事が怖いのだ。。。
看護師さんに何を言われたのか・・・聞くのが怖いのだ。。。
テレビはとりあえず、置かない方がいいかもしれないと言う看護師長の意を汲んで、
「中止」の手続きをしてきた。
「テレビが無くなった代わりに、ラジオが聴けるようにしておくね」と言っても、
「うん・・・」と頷くだけ。

詳しくは言わず、「しかしまぁ・・・このテレビ台も、
もうちょっとテレビが落ちにくいような工夫がないと、危ないよねぇ~」とか、
「見立てがいい」と、気に入っていたスウェットスーツを着ていたので、
「なん、それ。色がちょっとジジくさいかなっと思ってたけど、そうやって着ている所を見ると、
そうでもないね。父さんに似合ってるよ」と話し掛けると、
やっとこちらに顔を向け、話に加わるようになった。
そして、腰が痛いので、少し歩いてくると言って部屋を出て行った。

それを機に猫夜叉が母を捕まえ、先程の看護師長の話をしようとすると、
カーテン越しに、まだ父がそこに居た。(病室と廊下は扉ではなく、カーテンで仕切られている)
身振り手振りで猫夜叉に、「父がまだそこに居るから話をするな」と合図して、
仔猫が廊下に出て、父をデイルームへ誘った。

デイルームに着くと、父が「何か、隠してるんやろ?」と言う。
「なんで?」と聞くと、猫夜叉と母が目配せをしていたからだと言う・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・なんと言ってあげればいいのだろう。。。
「嘘」を言ってあげればいいのだろうか。しかし父は、「何か」があった事を知っている。
事実、テレビが無くなっているのだから。。。

父を信じて、(テレビの事や放尿の事には触れなかったが)夜中になると徘徊をして、
他の病室へ入っていく事もあるらしいと言った。
(前にも話した事はあったが、初めて聞くふうなので、仔猫も改めて話をした)

父は、自分が認知症になってしまったのではないかと心配しているのだと察して、
昨日も聞いたと思うけど、認知症ではなく、脳梗塞の後遺症だからしょうがないと、
先生が言っていたと言うと、「後遺症なのか・・・・・そうなのか」と、口の中で繰り返していた。

今までは、手術をしても治る見込みは無いし、手術のしようがないと言われ続けていたが、
糖尿病さえ、血糖値さえ安定させる事ができれば、手術をする事も可能であると言われたのだ。
長い間、同じ所で立ち止まっているしかなかったのに、今では光が見えて、
階段を一歩上がる事が出来るのだから、自分でその光を消してしまわぬようにとも言った。

「仔猫は今まで、嘘は言ってこなかったね」と言うと、「決して言わなかった」と言う。
「ぢゃぁ、他の誰が何と言おうと、仔猫の言葉は信じられるね?」と言うと、
「当たり前ぢゃないか」と言う。
「ぢゃぁ、父さんは大丈夫。認知症になんかなってない。心配しなくていい。絶対治るから」と、
力強く、手を握り締めて言った。

やがて猫夜叉と母も来て、少し気も晴れた父が、やっと笑顔を見せた。

猫夜叉が「入院生活も退屈でストレスが溜まると思うけど、
若い看護師さんが世話をしてくれるから、いいぢゃん?」と父をからかうと、
すかさず仔猫が、「父さんは仔猫が居れば、充分なんよねぇ~」と
横槍を入れる様を見て頷きながら笑い、
「そう言えば看護師さんに”志村○ん”に似ていると言われて、”アイィーン”として見せたらウケた」
と言うので、「浮気しちゃ、ダメぢゃん」と言うと声を出して笑った。

「もう帰りなさい」と促す父に、「また明日来るね」と言って手を振りながら振り返ると、
寂しそうな・・・不安そうな顔の父の姿があった。。。。


2005-10-06 21:24  nice!(0)  コメント(2) 
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nori

仔猫ちゃん、いろいろあったね。昨日も。。。つらいね、とっても。
きっと今日は良い日になる!そう祈ってる。
明日もあさっても、絶対に良い日になるよう祈ってる。
そんなことしかできなくてゴメン。。。。。。。。
by nori (2005-10-07 19:53) 

仔猫。

あれ?noriさん?o(*^▽^*)oあはっ♪こんばんわっ!
もう、いっぱいあり過ぎて、どうにかなっちゃいそう(笑)w

でも、書く事で頭の中が整理できて、良かったと思います♪
ちょっと肩は凝るし、手は疲れるし、寝る時間も削られていくんだけど、
書いている中で、人の心の温かさや、有難さが再認識できる事は、
仔猫にとって、良い事です♪

サザエさんも、みんなも居てくれるしっ!!o(*^ー ^*)oにこっ♪
仔猫は幸せですw
by 仔猫。 (2005-10-09 00:35) 

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