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住宅基礎セミナーの初日 [ ・講師の仕事]

新人住宅営業マンと技術者のためのセミナーを今年も依頼された。

今年の受講生は、昨年に比べて大幅増の23人で半数以上が女性
今回の研修に費やせる時間は丸一日。たったの8.5時間である。

 

昨年よりも良いものにしたいと思い、資料プログラムを大幅リニューアルした。
       
研修後、全国に散らばる彼、彼女らに必要なのは、エリア特性に左右されないスキル。
それと、施主がどんな思いで家を建てようとしているのかを身を持って知ること。
施主の多様な価値観を認め、自分の価値観で切捨てないこと。

 

施主の立場と設計者の立場を体験することで、施主、設計者、施工者の役割を
理解してもらいたいと思った。
社会人になりたての彼らが、どれだけリアルに施主の立場になれるかが肝なのである。

 

10数年後にタイムスリップした彼、彼女らは、38歳の夫35歳の妻になり、
二人の幼な子の親になっている。
時間の都合上、ところどころの条件はフィックスとしたが、企画から入居までが短時間の間に
シュミレートできる。
住む場所、働く場所は自由想定とし、土地勘のあるところを選択してもらった。

 

どこで働き、どこへ住み、どんな生活をしたいか。
居住地域を決めるためのデータを用意し、一般の生活者が家作りにおいていかに厳しい
選択をしているのかを身を以って知ってもらいたい。
多額の借金をするためには、サラ金の利用実績があったら、融資をしてもらえない。
(若年のサラ金利用が多いため、それに対する注意喚起の意味もあります)

 

共働きは良いけど、小さな子供をどうするのか?

「保育園にあずけるのは良いけど空き無いよ!待機児童って言葉知ってるよね?」

 

「幼児はすぐに熱が出たりするけど、奥さんは休めるの?君は協力できる?」

 

「坪30万円の予算じゃ、君が欲しいあのデザイナーズ住宅は厳しいかな~」

 

 

さて、設計者役の相方と打ち合わせを始めると、、、

 

「えー、無理だよ?これじゃ生活できない!」

 

「こうなったら、実家近くに住んで子供の面倒を見てもらおう!」

 

「親と同居すればいいじゃん?」

 

思った通り中々の盛り上がり。休憩もしないで必死にトライしてくれました
自己中心的なコメントが出ていましたけど、新人でそこまで考えが及べばしめたもの。
この後、家に持ち帰り設計者として相方のプランを考え、翌朝プレゼンをし合う。

 

最終的に施主が満足するプランをリアルに提案できたチームの勝ち
(上位3チームには、
豪華粗品あり

 

さてさて、どんなプランが提案されるでしょうか?

楽しみ、楽しみ

 


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コメント 9

興味深いセミナーですね^^
ほんとに実現しようとすると いろいろ勉強の必要を感じます^^

おいらは少し寄り道を始めましたが^^ 金が出来たら(ローンが組めたら)家は建つってもんでは^^ お役所の箱物行政と同じ気がして^^いろいろ関連することも学んでいきたいなと思います^^ 金曜に面接だし^^
これからも^^よろしくです^^
by (2007-04-17 04:27) 

hidenosuke

偏見かもしれませんが、住宅の営業ってそれこそ様々な経験をしてきた人じゃないと務まらないような気がします。
そう、それこそ社会に出て10年くらいはいろいろ経験、吸収した人。
でないと、様々なライフスタイルを持つ施主を相手に話すら満足に聞き取れないのではないでしょうか?
大部分の人が、「人生最大の出費」であることを考えても、その責任は重大です。
今回のこういった経験を糧に、信頼を寄せてもらえるような人間に成長して欲しいものです。
(なんて、ケツの青い奴が言ってどうする!)
by hidenosuke (2007-04-17 08:25) 

JOHN

楽しそうなセミナーですね!
「自分がその立場だったら…」と考えるのはどんなシゴトでも大事なんですね。
ワタシが今家を建てるとすれば、あーしてこーしてここはこんな風に…
あー!できることなら建て直したいっ(笑)
この記事は続くのですよね?楽しみにしています!
by JOHN (2007-04-17 08:25) 

gottu329

わが身になって考えれるところが、他とは違い楽しめるセミナーですね。
大学で、学生を見ていると、大切な講義であろと、居眠りや友達とおしゃべりなど、まったく講義内容を聞いていない生徒が多かったです。その子たちが、春になり社会に育ってきています。人が家を建築するということが、人生の中でどれほど重要なものなのか、しっかり伝えてあげてください。
by gottu329 (2007-04-17 08:49) 

アキラ

面白い企画で、引き込まれました。
やりますね~、浜松自宅カフェ さん!

こんな経験をした彼らは、きっといい営業マンと技術者になることでしょう。
10年後の、本当の彼らに会いたくなりませんでしたか?
by アキラ (2007-04-17 17:55) 

plusgate

おもしろそうですね。新人のころにこの研修を受けてると少しは違ってたかも。リアルに考えるってなかなかできないんですよね。
by plusgate (2007-04-17 18:52) 

浜松自宅カフェ

●dennさん
 まさに、施主と言うその場に投じようとしているdennさんなら、ヒシヒシと
 感じていただけると思います。
 そんな大変な思いで家を建てるのに、気楽にありえない提案して欲しく
 ないですよね?(・・・と自戒の念をこめて)

●hidenosukeさん
 建築設計の世界において、40歳が若造と言われるゆえんなのだと
 思います。酸いも甘いも噛み分けた人間だから、本当に道具として使える
 建築が設計できるのでしょう。
 この後の、彼らの成長は僕があずかり知らないところになります。
 だからこそ、この時期の彼らには言っておきたいこととして、学生と社会人の
 最も大きな違いから話し、最後にそれで締めるようにしました。

●JOHNさん
 実際、このセミナーは大受けでした。特に後半2日目は開始早々から
 ワイワイガヤガヤと僕が入る隙間さえない程に集中してくれました。
 そして、彼らは僕が言いたかったことを実感として感じてくれたようです。
 この記事が想像以上の反響だったので驚いていますが、後半の
 様子も記事にしますからお楽しみに!

●hgchさん
 基本的に真面目で優秀な人ばかりなので、おしゃべりこそありませんが
 残念ながら他の講師の話はあまり面白くなさそうですね。
 理由は簡単で、人を育てることを真剣に考えていないからだと思います。
 寝る奴が悪いのではなく、寝させない!
 「積極的にやりたくなるように仕向けたい」といつも思っています。

●アキラさん
 同業者の方にそう言って貰えて、嬉しいし光栄です。
 実は、2年前の受講者が今回のコーディネーター役だったのですが、
 彼女曰く「私達の時より格段に良くなっている!私達の時にもこれやって
 欲しかった!」と言われました。
 その時は、それが僕のベストだったのですけどね・・・

 後はこの体験をどれだけ胸に刻んで日々の仕事をできるかによります。
 配属された先の上司が上手く育ててくれ、かつ能動的に勉強することを
 望む限りです。

●plugate316さん
 そうなんです!
 この研修の原点は、自分が新人だった頃に遡ります。
 「もっと早く知っていれば!遠回りしなかったのに・・・」ってことを
 言っておきたいと思ったからです。
 だけど、これまで気付くのは5%いるかいないか?だったのですが、
 今回はかなり狙い通りの結果が引き出せたようです。
by 浜松自宅カフェ (2007-04-17 21:20) 

ゆつき

半数以上が女性・・・・いや、なんでもないです(ぇ

しかしプレゼンお上手ですね。
羨ましい。
by ゆつき (2007-04-23 15:07) 

浜松自宅カフェ

●ゆつきさん
 なんか、一昨年位から女性が過半数を占めるようになったんですよ(笑)
 いや、実際女性は真面目だし優秀なんですよ。真剣なんですよね。
 プランニング凄く一生懸命やってくれるんで、こっちもやりがいあります。
by 浜松自宅カフェ (2007-04-23 22:10) 

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