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『アンジュール - ある犬の物語』 ガブリエル バンサン [本・雑誌]

少し前、記事にも書いた イタリア・ボローニャ国際絵本原画展 で購入した絵本を妹に送ったところ、お礼のメールが来ました。(携帯だけど。妹は最近子育てが忙しく中々PC触らないらしい) 双子の姪っ子は最近お座りが出来るようになったらしいのですが、そんな小さくても絵本を読んであげるとじーっと絵本に見入るんだそう。妹も絵本が好きなので (大学時代に松本に住んでいた時、彼女のお気に入りの場所、安曇野絵本館に連れて行ってもらいました) 絵本の好きな子に育って欲しいから色々読んであげるんだ... とそのメールには書いてありました。
既に "ばばばか" の私はじゃあ~という事で、自分の持っている絵本をごそごそと検索。あげられそうな物を幾つかPick Upしました。(本当は手元に置いておきたいけれど、もう我が家の本の収納は限界に達している... 折角の機会なのでそのうち姪っ子が読んでくれれば嬉しい。)

そんな整理をしている時に出てきたがこの絵本です。もうすっかり色あせています。たぶん20歳前後に買ったものなのでそりゃー古いよなあ。ほぼ20年経っています。(S61年 5/1 第1版発行のもの)
私は引越しが多い方? かも。学生時代に初めて一人暮らしをしてから7回程引越しをしています。でもこの本はずーっと私の手元にあります。
私は結構ぱっぱと物を手放すタイプで、荷物も少ない方が好き。なので、引越しの時は本は譲ったり売ってしまったり、どうにもならないモノは捨ててしまうのですが、何故かこの本は残っていました。
とても有名な絵本なので、ご存知の方も多いでしょうね。ガブリエル バンサンとうベルギーの女性作家の処女作です。
この絵本は文字はありません。表紙と同じ鉛筆画だけの本です。まるで彼女がさらさらと描いたスケッチブックをそのままぽんと渡されたような、白と黒だけのシンプルな絵本です。
でも鉛筆だけのその絵が、雄弁に語りかけてくるのです。でも私はこの偉大な絵本についてうまく説明する事は出来ません。もし良かったら一度 立ち読みだけでもいいのでぱらぱらと見てみて下さい。
ストーリーは走行中の車から捨てられた一匹の犬の物語です。犬は飼い主を探してひたすら歩き続けます。その犬の視線で黙々と鉛筆を走らせる作者。ある意味冷静で写実的なのですが、何とも言えない情感があります。やはり何度読んでも凄いなあと思います。心ををぎゅっと掴まれるような、辛く哀しい物語があります。でも最後に主人公の犬は新しいパートナーと出会う事が出来ます。

そういえば、この絵本は確か妹にもプレゼントしたはず。まだちょと姪っ子には早いだろうけれど、いつか彼女達が読んだ時、どんな気持ちになるのでしょうね。やっぱり難しいかなあ。でもある意味、子供は本物を見る力があるから、もしかしたら好きになってくれるかもしれません。
という事で、やっぱりいつまでもこの本は私の手元に残りそうです。

amazonの紹介 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4892389579
安曇野絵本館 http://www.ehonkan.net/


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