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歴史に残る辞任演説 [news&topics]

心を揺さぶられる政治家の演説。
郵政民営化賛成にしても反対にしても、
そんな言葉を耳にしたかった……。

本日ご紹介するのは、英国政治史に残るとされる辞任演説です。
演説者は先月上旬、急逝したロビン・クック前外相。

先日、このブログで「記憶に残る造反」をした政治家の一人として書いたブレア内閣の元閣僚です。下院院内総務だった2003年3月、イラクへの武力行使についての方針に抗議し、辞任。ブレア政権を去る。その際のバック・ベンチ(後方にある平議員の席)からの辞任演説です。この日は、ブッシュ米大統領がフセイン大統領と一族に「48時間以内にイラクから去れ」と最後通告した日であり、英・下院(定数659)で参戦の是非に対する採決が行われる日の前日でした。

BBCのサイトに、その演説の完全なる録画ビデオがアップされているのを見つけました。

「私は明日の夜、今すぐの武力行使に反対票を投じる同志たちに加わるつもりです。以上の理由で、以上の理由だけを以って、打ち沈んだ心を引きずりながら、私は内閣から辞職します」
絶妙な間合いと抑揚。
演説直後のスタンディング・オベーション。
まるで映画のシーンのようです。

ご興味のある方はどうぞ。
雰囲気を味わいたい方も。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk_politics/2859431.stm
↑写真下の「Watch the speech」か、その左隣の「video」をクリックすれば再生が始まります。

最初、そして所々で議場がワーワーと騒がしいのは、
「hear! hear!」と叫ぶ議員たちの声です。
(「そうだ、そうだ」という意味。議会で賛同の意思表示として使われる言葉です)

鳴り止まない拍手の中、繰り返し聞こえてくる声は、
「Order! Order!」という議長の声です。
(「静粛に、静粛に」という意味)
「静粛に」と何度言われても、拍手はいっこうに止みません。

演説内容は、ページの下の方に全文掲載されています。
英国では「歴史に残る辞任演説」とされているようです。

この中に「Why is it now so urgent――」(どうして今それほどまでに急ぐのか――)という一節がありますが、小泉さんにも尋ねたいですね(笑)。

この件についてブレア首相を唯一評価できる点は、クック氏を辞任として処理し、罷免扱いにはしなかったことです。

郵政民営化関連法案の衆院採決。
小泉首相は、辞表を提出した法務省や厚生労働省の副大臣らを罷免という扱いにした。

抗議の辞任となると、役職は失ってもヒーロー視される。
そんな可能性も潰す徹底ぶりに、小泉氏の非情さを改めて垣間見た気がしました(パワーゲームのなかでは、「正解」の手法なのかもしれませんが)。


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