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六ヶ所村核燃料再処理施設って? (後編) [原発や核廃棄物]

***前編 に引き続き転載させていただきました。***

六ヶ所村核燃料再処理施設って?  (後編)

前編では核燃料の再処理施設とは原子力発電所から出る使用済み核燃料からプルトニウムを取り出すために、せっかく死の灰(=核分裂生成物)をとじこめている燃料棒をブチブチに切断し、硝酸をはじめさまざまな薬品を使って、その中からウランとプルトニウムを取り出す施設であり、その過程ではとてつもない放射能汚染を引き起こすというところまで説明させて頂きました。後編ではその汚染について、具体的に書かせていただこうと思います。

【六ヶ所村再処理施設からどれ位の放射能が出されるのか】
再処理施設からは猛毒のプルトニウムやさまざまな種類の死の灰(=核分裂生成物)が排出されます。それらは経口致死量に換算すると海への排水で毎年47700人分、空への排気で毎年5000人分の放射性物質が排出されるそうです!通常の原子力発電所が一年間に出す放射能を一日で排出するといわれていますが、2006年3月末から行われているアクティブ試験での実績はどうだったかと言うとクリプトン85という物質に限って言えば国内の全原発55基から出される量のなんと17000倍!が放出されたということです。(それも技術的には除去可能なのにコストの面で除去しないと決められたとのこと…)たとえ事故が起きなくてもこれだけ大量の放射能が環境中に放出されるのです。ひとたび事故が起これば、日本全体に放射能の被害は及ぶでしょう。再処理工場は危険な放射能をたれ流す最悪の核施設です。ヨーロッパでは再処理工場周辺にまき散らされたプルトニウムなどの放射能が鳥や魚、植物、そして人体からも確認されています。

【大気と海への汚染】
六ヶ所村は日本列島の太平洋側、青森県の八戸からさらに北上した沿岸に位置します。そこから海へと放出されたトリチウム、ヨウ素、コバルト、ストロンチウム、セシウム、プルトニウムなどの放射能は「太平洋の大量の海水によって希釈されるので安全」と国や日本原燃は説明していますが、実際はそうはいかず、北東方向から流れ込む冷たい千島海流によって陸側に戻され、沿岸38km以内を南下していくことになります。それも温かい海流にのっているため放射能は海面近くを流れて行き、海藻が多くの放射能を取り込むことになります。そして、国内最大の漁場である三陸海岸を通り房総半島の先で黒潮とぶつかる所まで汚染されると言われています。ハガキを海に流す実験では海流にのったハガキは茨城県の大洗海岸に一番多く漂着したそうです。
そして、大気へはクリプトン、トリチウム、ヨウ素、炭素などの気体状の放射能が放出されます。これも「空気によって拡散するので問題ない」と言っていますが、はたしてそうでしょうか?六ヶ所村には夏場(野菜などが栽培される時期)にヤマセと言われる季節風が吹きます。その風にのった放射能は岩手県へと流されて行きます。

【人体への影響】
再処理によって放出される放射能はガンや白血病を引き起こす原因となります。イギリスの再処理工場周辺では子どもの白血病の発症率が他の地域の10倍、フランスの再処理工場周辺では6倍になっています。イギリスの再処理工場周辺では子どもの乳歯からプルトニウムが検出されています!しかし英仏ともに国や事業者は因果関係を認めようとはしません。海藻や魚介類を食べる日本ではより大きな影響が出る可能性があります。

【胎児と子どもが危ない!】
日本では右肩下がりで減って来た自然死産率が1957年から上がってしまい1990年まで元の下降曲線に戻りませんでした。それは大気圏核実験がされていた時期と重なります。他の国で行われた実験で出たわずかな放射能が胎児に影響したと言えるでしょう。また米国のデータでは廃炉になった原子力発電所の周囲64kmの0-1歳児の死亡率は稼働していた時と比較すると17%下がったとされています。逆に言えば稼働中は死亡率が高かったということです。放射能の被害は細胞分裂がさかんなほど大きくなるのです。なぜなら細胞分裂する際に遺伝子の二重螺旋が一度開き、その時に放射能が悪さをするからです。なので、大人と比べると子どもが10倍、胎児が100倍の被害を受けるのです。チェルノブイリでは過去に起きた放射能漏れ事故の影響で子ども達が白血病やガンを発症し成人する前に亡くなって行くということが今も続いています。もし、このまま再処理工場が本格稼動し、汚染が広がり続けるならば日本でも同じように子どもや若者が亡くなっていくということが起こってしまう可能性があります。

【放射能の内部被曝とは?】
呼吸や飲食で体内に放射能をとりこむと細胞のDNAを傷つけガンなどの原因となります。これを内部被曝といいます。放射能の被害はそれを浴びた距離の二乗に反比例すると言われています。1m離れたところから浴びるのを1とすると体内に取り込み細胞から0.1mmの距離で浴びた場合は1億倍!の被害になります。

参考資料:田中優氏講演「STOP!温暖化、温暖化、核燃サイクル工場」コンブ・わかめの食べられなくなる日!六ヶ所村核燃料施設からの海洋核汚染物質、三陸の海を放射能から守る岩手の会発行小冊子「三陸の海を守るため知らなくてはいけないこと」、原子力資料情報室http://cnic.jp/


 


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