もうじやのたわむれ 354
「ああそうですか。ずうっと奥まで私一人で、いや、一亡者でトボトボと、及び腰で歩いて行かなければならないわけではないのですね?」
「そのようです。尤も、私は体験したことがないので、絶対そうだとは請けあ..
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もうじやのたわむれ 350
発羅津玄喜氏が首を傾げるのでありました。
「卑しさが卑しさとしての意味を持っていない社会なのでしょうね、準娑婆省の社会は」
これは拙生の右横に座っている、逸茂厳記氏の言葉であります。
「まあ..
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もうじやのたわむれ 322
「どうも、とんだ事でありました」
兵士は拙生にも敬礼するのでありました。拙生は補佐官筆頭の真似をして、矢張りぎごちない敬礼を返すのでありました。
「こちらは、地獄省海上防衛隊、じゃなくて川上防衛..
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もうじやのたわむれ 320
補佐官筆頭は額の汗を掌の甲で拭う仕草をするのでありました。
「で、実際にお創りになった歌はご披露いただけないので?」
「準娑婆省の港に着くまでもう少しばかり言葉を吟味してから、得心がいく出来栄え..
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もうじやのたわむれ 318
「ははあ成程。この船の至れり尽くせりの設備は、そう云う意味もあるのですね」
「そう云う事です。しかし亡者様の中には、初めはこうして豪華な歓待ぶりを示しておきながら、後で俄かに態度を豹変させて、いきな..
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もうじやのたわむれ 308
逸茂厳記氏が無精な事を云うのでありました。
「いやひょっとしたら二泊になるかも知れんよ。まあ、三泊にはならないと思うが」
補佐官筆頭が、肩から袈裟に下げた旅行カバンを撫でながら云うのでありまし..
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