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「ホームズゆかりの地」案内:Baker Street (1) [ ┣「ゆかりの地」案内]

FSL: Baker Street (P4)

聖地でもあるベーカーストリートです。以前もさらっとは紹介していたのですが、今回はFSLの記述に沿って完全版でお届けしたいと思います。見るべきところが多く、さすがに長くなりそうなので、何回かに分けてご紹介させていただきます。

今回はベーカー街221Bはどこにあったのかに焦点をあててみます。

想定される場所周辺のベーカー街

1.31(221B) Baker Street, W1

ホームズとワトソンがどこに住んでいたのか、当時の記録や地図などから類推する研究が行われています。何のことやらと思われる方もいるかもしれませんが、100年前のベーカー街には221までの番地はなく、現在221があるところは、その後延長されてできた番地になります。本書ではベーカー街31こそが221Bだったという説を支持しています。

ちなみに現在ではホームズ博物館が221Bを名乗っていますが、番地上はもう少し南に本当の221があります。(後述)

ベーカー街と下宿の様子は多くの作品で出てきますが、FSLで言及しているのは次の作品です。

「緋色の研究」

「オレンジの種五つ」

「マザリンの宝石」

「空き家の冒険」

FSLの記載: In A Study in Scarlet, Holmes and Watson's lodging on Baker Street was described as "a couple of comfortable bedrooms and a single large airy sitting-room, cheerfully furnished, and illuminated by two broad windows." In The Five Orange Pips, Watson mentions, "Holmes was already at breakfast when I came down." This indicates that Watson's bedroom was on the floor above. In The Mazarin Stone, we further learn that Holmes's bedroom had three doors: one leading to the sitting-room, a second exited into the hallway, where Holmes could see arriving guests, and a hidden therd door that opened behind the curtains in the shitting-room.

Today, Baker Street has been extended, and the numbering changed from Sherlock's time. In The Empty House, we learn that Camden House was across the street from the old 221B. Since the Camden House location can be calculated rather precisely, the most likely location of 221B was the house formerly at today's #31 Baker Street.

延原訳登場シーン:翌日、私は約束どおり研究室を訪ねていって、前日ホームズの話していたベーカー街二二一番Bのその部屋をいっしょに見にいった。そこは居心地のよい寝室二つと、気持よく家具も備えてあり、大きな窓が二つあって、明るく風通しのよい大きな居間一室とからなっていた。(「緋色の研究」)

翌朝は好天気だった。太陽は大ロンドンの空にかかる薄絹をとおして、なごやかに輝いている。起きてみるとホームズはもう朝食のテーブルについていた。(「オレンジの種五つ」)←英語ではSherlock Holmes was already at breakfast when Icame downとなっています。

FSLでは「オレンジの種五つ」を挙げていますが「緑柱石の宝冠」にもワトソンが朝起きて降りてくる記述があります。

翌朝起きて食事のため下へ降りてみると、いつのまに帰ったのか、彼はちゃんとそこにいてコーヒーカップを手に、片手には新聞をもって、おそろしく元気で服もきちんとしていた。(「緑柱石の宝冠」)

「寝室をぬけて出ることにしよう。この出口があるので大いに助かるよ。向こうに見られないで、鮫の様子を見てやりたいのだ。」

(中略)ホームズは一隅にあったヴァイオリンをとって、寝室へ姿を消した。やがてドアを閉めきった寝室から、あの心につきまとうすすり泣くような長い調べが微かにきこえてきた。

(中略)「寝室からべつのドアがあって、あのカーテンの向こうがわへ出られるのです。」(「マザリンの宝石」)

「おお、ベーカー街じゃないか!」私はほこりだらけの窓からそとをのぞいてみた。

「その通り。ここはカムデン・ハウスだよ。そら、僕たちの家のま向かいにあったろう?」(「空き家の冒険」)

31のあるビルです。

こちらが31。空き家のようです。

*221Bの部屋について(12月25日追記)

ホームズの部屋については、ベーカー街2でも紹介しているホームズ博物館が有名ですが、シャーロック・ホームズパブでも見ることができます。(2階レストラン)

かつてはマンチェスターにあったグラナダTVのスタジオセットにも部屋がありましたが現在は閉鎖されてしまいました。ここの小道具はベーカー街のMemorabiliaの2階に展示されていたようですが、こちらも今年10月で閉鎖され、小道具はポーツマス市図書館に寄贈されたそうです。この図書館には、最大のホームズコレクションと言われるリチャード・ランセリン・グリーン氏のコレクションも寄贈され、来年7月から公開の予定だそうです。グリーン氏も独自にホームズの部屋を再現していたということですので、こちらの図書館でグラナダまたはグリーン氏のホームズの部屋が見ることができるかもしれません。他にスイスのシャーロック・ホームズ博物館にも部屋が展示されているようです。

2.32 or 34 Baker Street (CAMDEN HOUSE), W1

次は上述のカムデンハウスがあったと思われる場所です。上の31も、このカムデンハウスを元に類推した結果になっています。

FSLの記載: In The Empgy House, Holmes and Watson passed from Manchester Street to Blandfor Street, en-route to Camden House.

Based on the route descrobed, and other clues, the most likely location of Camden House was either today's #32 or #34 Baker Street.

延原訳登場シーン: ホームズがロンドン市内のぬけ道に明るいことは、真に驚くべきものがあった。この晩も彼は何のためらうところもなく、私なぞは存在すら知らなかったような厩舎のあいだをぬけて足ばやに歩き、古い陰気な家のたち並ぶ小さい通りへ出たと思ったら、そこからマンチェスター街へ、そしてブランドフォード街へと出た。と思ううちまた素ばやく狭い通路へとびこんで、木の門を潜り、人けのない裏庭に入ると、鍵をだしてとある家の裏戸をあけ、二人がなかに入ると急いであとを閉めた。

 

32と34の入ったビル(真ん中)

32と34は同じ建物ですね。

Bairstow Evesという不動産屋さんのようです。「空き家」つながりということでぴったりかと。(以前は旅行エージェントだったようです。)

Baker Street(2)へ


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コメント 2

写六

Oh! 徹底した探索に昂奮を覚えます。
素晴らしい!!
東京は世田谷のボロ家の書斎にて。    
by 写六 (2006-12-16 22:27) 

Tomo

写六さん、お褒めの言葉ありがとうございます。授業も小休止なので、ますます張り切って歩き回りたいと思っています。
by Tomo (2006-12-21 06:58) 

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