一瞬で信じ込ませる話術コールドリーディング [読書（自己啓発）]
最近ビジネス心理学系の本に興味があります。
この本は、占い師や詐欺師がなぜ人を信じ込ませることができるのかを心理学的に解説した本といえると思います。
いくつかのテクニックが紹介されていますが、いずれも人の習性を利用したものです。
例えば、人は自分の信じたいことを信じたい、人には二面性がある、人は印象に残ることしか覚えていない、人は自分のことに一番興味がある、といったことがあげられています。これらの心理をうまく使って占い師や詐欺師は話術巧みに自分のことを信じ込ませているのですが、そこには数々のテクニックがあるそうです。
例えば、人は印象に残ることしか覚えていないので、少しあいまいな予言をしておくと、その予言が起こらなければ覚えていないが、それに近いことが起こると強烈に印象に残るそうです。また、人は自分のことを話したいということを利用して、次々と情報を引き出しておいて、まるで自分が当てたかのような錯覚を起こすこともできるそうです。
大変楽しめる内容でしたが、一番感心したことは、相手の性格を観察から読み取って、その人の好む内容に持っていくということでした。性格といっても大きな二つの分類、MeタイプとWeタイプを見分け、それにあわせて話を進めるというものなのですが、この見分け方がなかなか興味深いものでした。
まず特徴ですが、Meタイプの人は「私」を基準に考え、自己実現に価値を見出す、Weタイプは「私たち」を基準に考え、他者への貢献に価値を見いだす人と定義しています。きっぱりとどちらかに分かれるわけでなく一人の人の中で混ざっているそうですが、傾向はあるそうです。面白かったのはその見分け方で、例えば外見では、Meタイプは自分の右側を守る傾向がある（人は左側に置いたほうが心地よい、バッグは右にさげる等）、Weタイプは逆になるそうです。こうした観察から相手のタイプを見ながら、話を進めるそうです。
私はシャーロック・ホームズが好きで、彼のように推理できたらと常々考えているのですが、彼が得意とする、人を見て職業や行動を当てるというのは、階級や職業が固定化され、特徴が現れやすかった100年前だからできることで、現在の日本のような比較的同質的で服装なども職業に固定化されていないところでは難しいと思っていました。しかし、それでもこのように人を観察することで、分かることと言うのはそれなりに研究されているというのが非常に新鮮に思いました。
人と話しているときに、ここまで話し以外のことに集中するのは難しく、訓練が必要だとは思いますが、手法をよく理解し意識していくことで、身に付けていくことはできると思いました。
こうしたテクニックを駆使した人間関係には若干の抵抗はあるのですが、人にだまされないためにも、知っていて（身に付けていて）損はないと思います。
- 作者: 石井 裕之
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: 単行本
面白いですね。私はWeタイプとMeタイプのハイブリッドです。
占い師さんの話は、本当に興味深い。営業職や、接客業の方々は是非身に付けた方が良いテクニックかもしれません。
by どらとら (2005-07-16 19:41)
知っていて損はないと思います。からくりが分かるという点では、手品師の種明かしに近いものだと思います。この本は入門的なので、もう少し研究してみたいと思います。
by Tomo (2005-07-16 20:38)
Tomoさん、トラックバックありがとうございました。
コメントまでいただいてたのにそれに気づかずまたトラックバックで
返してしまいました(^^;)
自分もTomoさんがリンクして頂いてるのに気づいてから
ちょこちょこ遊びに来るようになりました。
今後ともよろしくお願いします。
by まみれ♂ (2005-10-05 07:58)
まみれ♂さん、コメントありがとうございます。いつも楽しみに読ませていただいております。やはりいつも読ませていただいているBlogで、同じ本が紹介されていると、新たな感じ方や読み方が大変参考になります。これからもよろしくお願いします。
by Tomo (2005-10-06 22:56)