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上原まり/筑前琵琶で語る源平の世界 [コンサート]

上原まり 筑前琵琶で語る源平の世界
11月5日(土)午後3時開演(30分前開場)
みらい座いけぶくろ(豊島公会堂)
演目  1部   瀬戸内寂聴訳
          源氏物語「桐壺」
     2部   平家物語
          「祇園精舎」
          「壇ノ浦」
オリジナル曲「古刹幻想」
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なかなか琵琶の生演奏を聴く機会などありませんのであまり身近な楽器ではないのですが
今日は「上原まり 筑前琵琶で語る源平の世界」ということで出演者はただ1人、上原さんのみで
楽器は琵琶だけ、でした。冒頭と途中で鼓と笛が入ってましたが録音です。
みらい座いけぶくろ(豊島公会堂) は初めて行きましたが・・・あまりのレトロさにびっくり。
三越の裏手、サンシャイン通りからもすぐのいい立地ですが、ありえな~い、と叫びたくなるような
建物と内部。先日見たカーテンコールのみなと劇場かと思っちゃいます。豊島区は駅の反対側に
東京芸術劇場もあるのでホールには困っていないからこのままでかまわないのでしょうか。
せっかくの良い立地なのにちょっともったいないですね。

1部の源氏物語は、まず琵琶を弾きながらの語り。最初はマイクの調節がちょっと悪かったのか
琵琶の音と声のバランスが少し悪くて聞きにくいような気がしたのですがベベンベンベンと
かき鳴らす琵琶の音と上原さんの唸りが乗ってくるにつれて気にならなくなりました。
その後は琵琶を置いて、朗読。瀬戸内寂聴訳は読んだことがあるので、すっと入っていけました。
琵琶の弾き語りとはまた違って朗読はとても聞き易い声の方です。
一部の最後はお話で締めくくり、15分の休憩。
2部は平家物語。平家物語をライフワークにしている、とおっしゃっていただけあって納得。
琵琶の弾き語りがぐんっと迫力を帯びてきました。
少しクールダウンするように「平清盛が好きなんです」と平家のお話。そこから「壇ノ浦」へ。
壇ノ浦は平家が滅亡するシーンなので否が応にも盛り上がります。教経、二位尼、安徳天皇、
知盛と次々に入水していく様を唄っていくのですからこの上ない悲劇です。
   「見るべき程の事をば見つ。今はただ自害せん」(知盛)
   「浪の下にも都の候ぞ」(二位尼:清盛の妻)
最後にオリジナルの琵琶曲「古刹幻想」でしめくくり。

源氏物語も平家物語も古典です。長く親しまれているものの良さを実感した演奏会でした。

上原まりさん・・・ご本人のブログもあります。http://blog.goo.ne.jp/ueharamari
筑前琵琶・旭会総師範・二世柴田旭堂の一人娘として、
幼い頃から琵琶に親しみ、後継者として「柴田旭艶」の名を持つ。
宝塚歌劇団入団後の彼女の活躍は目覚しく、瞬く間に娘役のトップスターとなり、
大ヒット作「ベルサイユのばら」のマリー・アントワネット役で有名。
1981年宝塚歌劇団を退団。 古典芸能の世界へ。
「平家物語」「源氏物語」、また源平の女たちを描いた「中世女人抄」など、
すべて自身の作曲による作品を発表。もちろんCDも何枚も出しています。

平家物語

平家物語

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ビクター伝統文化振興財団
  • 発売日: 1997/07/24
  • メディア: CD

源氏物語(1)

源氏物語(1)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ローヴィング・スピリッツ
  • 発売日: 2004/08/25
  • メディア: CD


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コメント 8

haru nakamura

TB有難う御座います。
上原まりさんの演奏会は一度きりですが、貴重な平家語りだと思っています。
手元に、まりさんの平家巡礼(光文社刊)がありますが、学生時代は京都だったので、平家や源氏物語縁の地を随分歩きました。
一寸忘れていましたが、貴方のブログを読んで、また、上原まりの公演に行きたくなりました。
by haru nakamura (2005-11-05 21:32) 

Ren

haru nakamuraさんコメントありがとうございます☆
美しい日本語の良さを再認識させられました。琵琶語りの継承者は
数少ないと聞きますので上原さんがんばってほしいです。
by Ren (2005-11-06 08:21) 

dream(http://blog.goo.ne.jp/dream625)

TBありがとうございます。
9月上旬、横浜のみなとみらいホールにて・・・
日本伝統芸能フェスティバル「義経」を観てきました。
このフェスティバルでは、能・狂言・歌舞伎・落語・琵琶と
様々な伝統芸能で「義経」を表現するという舞台でした。
その時、初めて琵琶の音色をナマで聞きました。
上原まり様の演奏を聞いたのは、この時一度きりです。
物悲しい音色は、それだけで平家物語です。素敵な音色でした。
上原まり様を応援しております。
by dream(http://blog.goo.ne.jp/dream625) (2005-11-06 15:53) 

Ren

dreamさんコメントありがとうございます☆
横浜の「義経」のイベントも行きたかったのですが日程が合わず断念。
いろいろな伝統芸能が一度に楽しめてかなり評判がよかったようなので行かれなくてとても残念でした。
by Ren (2005-11-07 07:10) 

秋姫

TB&コメントありがとうございました。
by 秋姫 (2005-11-07 16:17) 

Ren

秋姫さん、コメント&TBありがとうございます☆
また寄ってくださいね。
by Ren (2005-11-08 08:16) 

みうみ

トラックバックをありがとうございました。
「壇ノ浦」、機会を見つけて、ぜひ聴いてみたいと思います。

上原まりさんは筑前琵琶ですが、薩摩琵琶の演奏も楽しかったですよ。(^^)
(私も1回ずつしか聴いていませんけど。)
by みうみ (2005-11-09 00:44) 

Ren

みうみさん、コメントありがとうございます☆
ひとくちに琵琶と言っても薩摩琵琶というのもあるのですね!
ぜひ聞いてみたいです。音や演奏方法の違いもさることながら
伝統芸能を志す演奏者の方にも興味深深です。
by Ren (2005-11-09 06:55) 

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