グラン・トリノ [外国映画]
「クリント・イーストウッドって、なんとカッコイイんだろう!」。見終わったとたん、そう思った。彼はこの5月31日で80才になった。こんな素敵な80才はそうそういないだろう。
私にとってクリントといえば「ダーティ・ハリー」なのだ。ハリー・キャラハンはサンフランシスコ市警の警部である。ぶっきらぼうで皮肉屋、そして組織に迎合しない一匹オオカミである。このころはクリントもまだ若かったので、その容貌のハンサムなところも好きだった。俳優としても、監督としても魅力的な人である。
「グラン・トリノ」は、クリントが演ずるがんこな人種差別主義の老人ウォルト・コワルスキーが、主人公である。彼はフォードの自動車工だったが、妻に先立たれ愛犬とともに1人暮らしをしている。
ウォルトの宝物は、72年製フォード車グラン・トリノである。実の子供たちとも疎遠で、近所に住むアジア人や外国人を毛嫌いしている。ビールを飲みながら、単調な日々を送るウォルトだった。ところがある日、隣のモン族の少年タオ(ビー・ヴァン)が、いとこの不良グループに襲われているのを見かねたウォルトが、少年を助ける。こうしてウォルトとタオ家族と交流が始まるのだが、それが思わぬ事件へと発展していく……。
これは、ほんとうにアメリカ的な映画だと思った。小物としては、ビールやタバコ、そしてクリントの着ているブルックス・ブラザーズのカジュアルトラッドの衣裳、そして「グラン・トリノ」という大型車。
背景としては、疎遠な家族関係、赤の他人との絆。それから戦争の傷跡(コワルスキーは朝鮮戦争の帰還兵という設定)。生活している人種の多様性。暴力と銃など。
まさに、現代のアメリカの問題点を網羅したような事件が次々に起こる。それがうまくミックスされて、おもしろい筋書きを展開しているのだ。そしてそのストーリーの底には、アメリカの良心ともいうべきものがきちんと描かれている。それを表現しているのが、ウォルト・コワルスキー=クリント・イーストウッドなのである。グラン・トリノという美しいクラシックカーは、「良心」の象徴なのだろう。
アメリカのイメージが後退する一方の今日だが、クリント・イーストウッドは、他者とのつながり、特に異人種間のつながりを温かく描くことによって、もう一度世界の人に「人間味のあるアメリカ」を示したかったのではないだろうか。
ラスト・シーンは、スター街道を突っ走ってきた男、クリント・イーストウッドのかっこよさが凝縮された、すばらしいものだった。涙なしには見れない。映画はやはりラスト・シーン、である。
監督・製作:クリント・イーストウッド キャスト:クリント・イーストウッド、 ビー・ヴァン、 アーニー・ハー、
クリストファー・カーリー
2008年 アメリカ 梅田ピカデリー劇場
私にとってクリントといえば「ダーティ・ハリー」なのだ。ハリー・キャラハンはサンフランシスコ市警の警部である。ぶっきらぼうで皮肉屋、そして組織に迎合しない一匹オオカミである。このころはクリントもまだ若かったので、その容貌のハンサムなところも好きだった。俳優としても、監督としても魅力的な人である。
「グラン・トリノ」は、クリントが演ずるがんこな人種差別主義の老人ウォルト・コワルスキーが、主人公である。彼はフォードの自動車工だったが、妻に先立たれ愛犬とともに1人暮らしをしている。
ウォルトの宝物は、72年製フォード車グラン・トリノである。実の子供たちとも疎遠で、近所に住むアジア人や外国人を毛嫌いしている。ビールを飲みながら、単調な日々を送るウォルトだった。ところがある日、隣のモン族の少年タオ(ビー・ヴァン)が、いとこの不良グループに襲われているのを見かねたウォルトが、少年を助ける。こうしてウォルトとタオ家族と交流が始まるのだが、それが思わぬ事件へと発展していく……。
これは、ほんとうにアメリカ的な映画だと思った。小物としては、ビールやタバコ、そしてクリントの着ているブルックス・ブラザーズのカジュアルトラッドの衣裳、そして「グラン・トリノ」という大型車。
背景としては、疎遠な家族関係、赤の他人との絆。それから戦争の傷跡(コワルスキーは朝鮮戦争の帰還兵という設定)。生活している人種の多様性。暴力と銃など。
まさに、現代のアメリカの問題点を網羅したような事件が次々に起こる。それがうまくミックスされて、おもしろい筋書きを展開しているのだ。そしてそのストーリーの底には、アメリカの良心ともいうべきものがきちんと描かれている。それを表現しているのが、ウォルト・コワルスキー=クリント・イーストウッドなのである。グラン・トリノという美しいクラシックカーは、「良心」の象徴なのだろう。
アメリカのイメージが後退する一方の今日だが、クリント・イーストウッドは、他者とのつながり、特に異人種間のつながりを温かく描くことによって、もう一度世界の人に「人間味のあるアメリカ」を示したかったのではないだろうか。
ラスト・シーンは、スター街道を突っ走ってきた男、クリント・イーストウッドのかっこよさが凝縮された、すばらしいものだった。涙なしには見れない。映画はやはりラスト・シーン、である。
監督・製作:クリント・イーストウッド キャスト:クリント・イーストウッド、 ビー・ヴァン、 アーニー・ハー、
クリストファー・カーリー
2008年 アメリカ 梅田ピカデリー劇場
ココさん、お久しぶりです、こんにちは^^
私もイーストウッドのカッコ良さにしびれました。
円熟という言葉がピッタリですね。
静かな余韻がじんわりと残り、
エンドロールまでじっくり浸りました。
私も涙なしでは見られませんでしたよ~。
by てくてく (2009-06-02 11:10)
ごぶさたしてます!
私も、イーストウッドといえばダーティ・ハリーですね。
今年、友達がサンフランシスコマラソンに参加するから、私も便乗してロケ地めぐりしたかったんですが・・・。試験日と重なってしまいました。残念。
それはおいておいて、この作品はラストが非常によかったと思います。
思いがけない顛末でしたが、彼の人生の納め方が良心的でよかったです。
by クリス (2009-06-02 21:42)
てくてくさんへ
どうも、ご無沙汰しております!(^^)
nice&コメントありがとうございます♪
ほんとに、こんなかっこよく年令を重ねられるなら、
年をとるのもいいなと思っちゃいますね。
私もエンドロールを見ながら、余韻に浸りました。
すばらしい作品でしたね☆
by coco030705 (2009-06-02 22:02)
クリスさんへ
ほんとにおひさしぶりです!お元気ですか。
nice&コメントありがとうございます♪
ダーティ・ハリー、ほんとにかっこいいです!
私はこの映画もダーティ・ハリー的結末を予想してましたが、
見事にヤラレました。(^^)
コワルスキーの「人生の納め方」は男そのものでしたね。
またいつかサンフランシスコのロケ地めぐり、お願いしますね。
by coco030705 (2009-06-02 22:39)
xml_xslさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2009-06-02 22:41)
こんばんは!
イーストウッドは若い頃も本当に良いですが、何歳になってもカッコ良いですね。
時々ユーモアを交えながら、アメリカの今の姿や人のつながりの
暖かさなどが丁寧に織り交ぜられていて、とても良かったです。
ラストは本当、印象的でしたね・・・暖かい気持ちになる、素敵なシーンでした。
by トミュウ (2009-06-03 00:43)
こんばんは。
アメリカの歴史を体言するかのような主人公と俳優C・イーストウッドのキャリアが重なって見え、最近のハリウッドが失ったものを取り戻したという感じがしました。
>こんな素敵な80才
まだまだ、素晴らしい作品をたくさん作って欲しいですね。
by hash (2009-06-03 01:25)
こんにちは。
イーストウッドならではのかっこ良さでしたね~!
あまりにも素敵なので、一挙一動を見つめてしまいました。
これで俳優を卒業などと言わずに、もっともっと活躍して欲しいです☆
by non_0101 (2009-06-03 12:39)
こういう映画なんですね。見に行きたいです!
by TaekoLovesParis (2009-06-03 21:00)
トミュウさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
頑固なイヤミささえ、ユーモラスに感じられましたね。
さすがイーストウッドです。
彼のアメリカ社会への愛が感じられた作品でした。
hashさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
>最近のハリウッドが失ったものを取り戻した
まさにhashさんがおっしゃるとおりです。
見てよかった、この作品に出会えてよかった、そう
心から思える映画でした。
nonさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
nonさんのレビューを読んで見に行きました。
クリントはまだまだ俳優としても活躍できますよね!
ファンレターを書いて、そう言おうかな。(^^)
by coco030705 (2009-06-03 22:25)
Taekoさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
ご無沙汰しております。
またちょっと母の体調がよくなかったので、
ブログ更新ができませんでした。
この映画は本当にお薦めです。
Taekoさんは確か、クラシックカーがお好きですよね?
この美しい車を、ぜひご覧くださいませ。
by coco030705 (2009-06-03 22:30)
ココさん、こんにちは。
イーストウッド、カッコよかったですね。ツバ吐きまくってもイーストウッドならいいや、みたいな感じです。
次回作も期待大ですね。
by 丹下段平 (2009-06-04 08:22)
丹下段平さんへ
nice&コメントありがとうございます♪
イーストウッドが演じると、どんな場面も抵抗感なく
見れてしまいますね。やはり彼の人間的魅力の所以でしょうか。
早く次の作品、来ないかなぁ!
by coco030705 (2009-06-04 21:38)
イーストウッドは子供の頃からテレビの「ローハイド」などで親しんできた俳優さんですが、こんな素晴らしい名監督になるとは思わなかったなぁ。
by gillman (2009-06-05 06:14)
こんにちは。
私は若いころのイーストウッドはちょっと苦手だったんですが
「ミスティック・リバー」以来の監督作品がどれも素晴らしいので
見逃せないです。(^・^)
次回作を待ってしまいますね。
by キキ (2009-06-05 19:42)
gillmanさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
「ローハイド」は母がファンでよくみてました。
でもイーストウッドがでているなんて、ぜんぜん
知りませんでした。いい年のとりかたをしていますね。
by coco030705 (2009-06-05 22:02)
キキさんへ
コメントありがとうございます♪
イーストウッドの監督作品を、順次みて行きたいと
思っているところです。
次回作は、彼の息子が(ナントカ)・イーストウッドという芸名で
登場するそうなので、とっても楽しみです!
by coco030705 (2009-06-05 22:08)
最後の写真、渋いクリント・イーストウッドかっこいいですね~~。
この映画、予告編だけ見たことがあります。
涙無しでは見られませんか、、やっぱ映画館には行けないです(^_^;)。
by aranjues (2009-06-13 00:04)
aranjuesさんへ
nice&コメントありがとうございます♪
そうですね!最後の写真、「渋い」という言葉がピッタリですね。
涙とはいっても、感動の涙です。ぜひ、映画館でご覧くださいませ~☆
by coco030705 (2009-06-13 22:08)
c_yuhkiさんへ
nice! ありがとうございます♪
コッスンさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2009-06-16 21:56)
sakikopさんへ
こちらにも、nice! ありがとうございます♪
赤ちゃんお生まれになったんですね。おめでとうございます!!
素敵なママになられたご様子、私も嬉しくなります。
これからも子育てに、グルメに、楽しんで日々をお送りくださいませ~☆
by coco030705 (2009-06-22 21:20)
WIZARDさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2009-06-24 21:37)
@ミックさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2009-07-11 01:08)
Soraさんへ
nice! ありがとうございます♪
by coco030705 (2009-08-19 13:19)